培養肉とは
培養肉は 安心、安全、安定
そして、無駄がない
培養肉とは、家畜の細胞を培養して作られた食肉です。
培養には医療用に開発された技術を用い、無菌状態で培養するので、安心です。
また、弊社の手法は既存の食材をベースに培養肉を作るので、安全です。
屋内で生産するので 疫病や気候変動に左右されず、安定な生産が可能です。
さらに、可食部(食べる部分)のみを作るので、無駄がありません。
なぜ、培養肉が必要なのか?
人類がテクノロジーを発展させ、人々の暮らしは豊かになりました。食分野においても、畜産業の発展に伴い豊かな食文化が育まれています。この社会は今後どうなってゆくと予想されるでしょうか。
国連の推計によると2050年には世界の人口が100億人に迫ると言われています。農水省の試算では、食糧も2010年に比べ1.7倍必要とされています。
「足りない食糧をどのようにして補うか」これは、人類が抱える喫緊の課題の一つです。フードロスを減らす事はもちろんのことですが、世界の人口の増加を鑑みると、食糧そのものをふやすことも必要不可欠です。
今より多くの食糧を得るためには、より多くの農地が必要です。しかしながら、耕作に適した土地はあとどれほど残っているでしょうか。新たな土地を求めてジャングルを切り開けば環境破壊になり、砂漠を緑化するにも水が足りません。農業用水を求めて大きな川の上流に巨大なダムがいくつも作られた結果、下流域は水量が低下し水不足に陥っています。そして、大変悲しいことですが、そのことが原因で、世界では多くの紛争が起きているのです。「水」と「食糧」と「争い」は切っても切れない密接な関係にあり、飼料用の穀物の多くを輸入に頼っている日本も決して無関係ではないのです。
この悲しい関係を変えるため、私たちは培養肉で「食糧」に挑みます。
「培養肉で地球と暮らしを守る」を使命に、私たちの再生医療技術と食技術が生み出す革新的な手法で、人々と地球環境を守る取り組みに貢献します。
畜産業はなくならない
畜産業は人類最古類の産業の一つであり、人類の文化は畜産業とともに発展してきたといえます。「肉を食べる」ことは人類にとって根源的なものの一つではないでしょうか?
さらに、広大な面積の土地を維持管理してきたのは畜産業であり、国土保全の役割も大きいです。
また、弊社では細胞を一定の期間しか培養しません。永遠に生きる細胞というのは自然の倫理に反しているものと考えています。よって、定期的に健康な家畜から細胞を採取するため、一定数量の家畜を健康に飼育することが必要なのです。
下のグラフは食肉の世界市場トレンドを示した一例ですが、2040年に培養肉は35%とですが畜産肉も40%を維持しています。畜産業と培養肉をうまく組み合わせて新しい持続可能な事業を構築することが求められています。
培養肉の資源削減効果
培養肉の生産については、既存の畜産に比べて水が90%、土地は99%少なくて済むという
試算が出ています。温室効果ガスに関しては諸説ありますが、一定の削減効果はあるのではと
言われています。
畜産業と培養肉の組み合わせ
本物のサステナビリティ
畜産業は広大な国土を維持するためにも必要な産業であり、数千年の食の文化の伝道者でもありますので無くしてはなりません。同時に環境変動などで事業として継続するために何らかの変化も求められています。培養肉技術を取り入れることで、新しい事業形態を作り上げることができないか、と考えています。
弊社では、畜産業の皆様と共存できる培養肉製造技術の開発を行っています。巨大なプラントで培養肉を作るのではなく、コンパクトな生産システムで、小規模事業主でも参入できるものを考えております。
理想的には、上の図のように、牧場の横に培養肉工場があり、牧場主・事業主の意向によってその割合を変えていくという体制が望ましいと考えています。